個人破産について
 破産者への制限、不利益とは?
 
 自己破産を宣告された破産者は、下記の制限、不利益を受けますが破産手続
きの終了後、廃止の決定、免責決定を受ける事により解消されます。

 
◇財産の管理処分権の喪失
・破産者は、破産宣告時に所有していた財産の管理処分権を失い、管理処分権
 は破産管財人の手に渡ります。
・破産宣告後に破産者が新たに取得した財産は、破産者が自由にできますので
 破産すれば生活ができなくなるという事はありません。
◇自由の制限
・破産者は、破産管財人や債権者集会の請求により破産に関し必要な説明をし
 なければならない。
・破産者は、裁判所の許可がなければ居住地を離れて転居、または長期の旅行
 をする事ができない。
・破産者は、裁判所が必要と認める場合は身体を拘束される事がある。
・破産者が逃亡または財産を隠したりするおそれがあるときは、監守を命じら
 れる事がある。
・破産者にあてられた郵便物などは、すべて破産管財人に配達され、破産管財
 人は受け取った郵便物を開封できる。
・破産者は、破産管財人のところに配達された郵便物などの閲覧を求め、破産
 財団に関係のない郵便物などの交付を求める事ができる。
◇私法上の制限
・民法上の制限で、代理人、後見人、貢献監査人、保佐人、遺言執行者などに
 なれません。
・商法上の制限で、株式会社、有限会社の取締役や監査役になれません。
 また、合名会社、合資会社の社員にもなれません。
◇公務上の資格制限
・破産者は、下記の業務ができません。
 弁護士・税理士・公認会計士・公証人・司法書士・行政書士・不動産鑑定士
 土地家屋調査士・宅地建物取引業者・人事院の人事官・国家公安委員会委員
 都道府県公安委員会の委員・検察審査官・公正取引委員会委員・商品取引所
 の会員・証券会社外務員・有価証券投資顧問業者・質屋・生命保険募集員
 損害保険代理店・警備業者・警備員・建設業者・建設工事紛争審査委員会委
 員・風俗営業者・風俗営業管理者。
◇資格等の制限がないもの
・破産宣告を受けても下記の資格は影響ありません。
 医師・建築士・古物商・学校の教員・宗教法人の役員・特殊な職を除く国家
 ・地方公務員。
・選挙権/被選挙権などの公民権も停止されません。
◇その他の疑問いついて
 その他心配な項目についてお答えします。
・生活に必要な家財道具などは一般に処分されません。
・破産宣告後に得た収入は、原則として全て自由に使えます。
・破産宣告を受けても、戸籍や住民票に記載される事はありませんが、本籍地
 の市町村役場の破産者名簿に記載されます。第三者がこの名簿を見ることは
 できません。また、免責決定がなされれば破産者名簿から抹消されます。
・破産宣告は官報に公示されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどあ
 りません。
・裁判所から勤務先等に破産宣告の通知をする事はありません。
・破産宣告を理由に解雇する事はできません。
 
◇破産等に関係なく差し押さえが禁止されている財産
 よく債権の確保の為に、差し押さえの手続きを取る業者等がおりますが、下
記の財産については差し押さえが禁止されております。
(1)破産者やその家族に欠かせない衣服・家具・台所用品・畳及び建具。
(2)破産者やその家族に必要な2ヵ月間の食料及び燃料。
(3)制令で定める1ヵ月間の必要生計費の額(現在は21万円)。
(4)給与・賃金・賞与の4分の3に相当する部分(その額が21万円を越える
  ときは、21万円)。
(5)退職金については4分の3に相当する部分、ただし、裁判所の裁量権が認
  められています。
(6)恩給を受ける権利。
(7)生活保護法に基づき受け取った金品や受給権。
(8)労災保障を受ける権利。
(9)保険給付を受ける権利。
(10)失業給付を受ける権利。
(11)年金給付を受ける権利。
(12)保険金または還付金を受け取る権利。
◇免責決定がなされても支払義務がなくならない債務
 下記の債務は理由の如何を問わず支払義務があります。
(1)市民税、車税などの租税。
(2)破産者が悪意をもって加えた不法行為に基づく損害賠償請求権。
(3)破産者の雇人の給与、預り金、身元保証金。
(4)破産者が知りながら故意に債権者名簿に記載しなかった請求権(ただし、
  債権者が破産宣告のあったことを知っていた場合は除かれます)。
(5)罰金、科料、刑事訴訟費、追徴金、過料など。
◇免責の不許可事由とは?
 下記の項目が免責不許可事由となっておりますが、不許可事由があっても裁
量により、免責決定がなされる場合があります。
(1)自分や他人の利益を図ったり、債権者を害する目的で破産管財人に属する
  財産(破産者の財産)を隠したり、その財産価値を減少させたような場合。
(2)浪費やギャンブルによって、著しく財産を減少させたり、過大な債務を負
  担させたような場合。
(3)クレジットカードで一定の商品を購入し、その商品ををすぐに非常に安い
  値段で業者などに転売したり、質入れして現金を取得したような場合。
(4)既に返済不能な状態であるにもかかわらず、そういう状態でないかのよう
  に債権者を信用させて、更に金銭を借り入れたような場合。
(5)偽りの事実を記載した債権者名簿を裁判所に提出したり、財産状況につい
  て裁判所に対し偽りの陳述をしたような場合。
(6)免責の申立前10年以内に免責を受けた事がある場合。
(7)破産法に定める破産者の義務に違反した場合。
◇免責不許可事由があっても破産宣告・免責申立を!
 一部に免責不許可事由と思われる事項があったとしても、全体として免責不
許可事由に該当しないとされたケースが数多くあります。
 仮に免責不許可事由に該当するとしても債務者の更正の可能性などを考慮し
て裁判所の裁量により免責許可の決定がなされたケースもあります。また、仮
に免責不許可が明らかな場合でも破産宣告は受けられます。
 破産宣告がなされると破産債権は税法上損金処分ができますので、大半の債
権者は債権の回収をあきらめ、債権者の請求は大幅に少なくなる可能性があり
債務整理交渉がし易くなります。
 自ら判断せず弁護士へ相談し判断を仰いで下さい。
 
◆家族・保証人等との人間関係
 家族(配偶者・子供)・親族については、保証人/連帯保証人になっていな
ければ、支払義務はありません。
 なお、保証人と連帯保証人については、明確に違いがありますのでその違い
をご理解下さい。
◇保証人
 単なる保証人であれば、業者等の支払請求に対して、まず「主たる債務者に
請求せよ」と云って、その請求を拒むことができる
「抗弁権」があります。
また、保証人が3人いたら1/3でよい事となります。
◇連帯保証人
 連帯保証人については、「主たる債務者に請求せよ」と云ってその請求を拒
むことのできる
「抗弁権」はありません。したがって、主たる債務者に財産が
あってもその請求を拒む事はできません。
 
◇当事者が破産宣告を受けた場合でも、保証人/連帯保証人としての責任
 はなくなりません。

 
◆サラ金規制法で禁止となっている事項
 貸金業規制法では下記のような取立を禁止しています。
(1)暴力的態度をとること。
(2)大声をあげたり乱暴な言葉をつかうこと。
(3)多人数で押しかけること。
(4)正当な理由なく、午後9時から午前8時の間に電話・電報もしくは訪問す
  ること。
(5)反復または継続して電話・電報もしくは訪問すること。
(6)はり紙・落書きなどで借入の事実、プライバシーを明らかにすること。
(7)勤務先を訪問して困惑させたり、本人の立場を不利益にする行為をするこ
  と。
(8)他の業者からの借入れ、クレジットカードによる弁済を要求すること。
(9)支払義務のない者(両親・子供・兄弟・友人・知人等)に請求したり取立て
  協力を必要以上に要求すること。
(10)弁護士に委任した旨の通知、または調停その他訴訟手続きをした通知を受
  けた後に、正当な理由なく支払請求すること。
 
◆苦情等の申し立てについて
・クレジット(信販)の債権の場合は、通産省に対して「割賦販売法の取立行為
 の規制に関する通産省通達違反」として行政指導を申し立てることができる。
・サラ金(ローン)の債権の場合は、大蔵財務局や都道府県の貸金業者指導係り
 に対して業務停止や登録取消しなどの行政処分を申し立てることができる。
・暴力等があった場合は暴行罪として警察や検察庁に対し刑事告発ができる。
 
 
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